サイネックス・マガジン

道の駅の役割はどう変化した?各省庁の支援メニューや取り組み事例を紹介

目次
  1. 道の駅の機能と変遷
  2. 国交省だけじゃない!省庁の枠を超えた「道の駅活用支援メニュー」
  3. 成功事例に見る「選ばれる道の駅」の共通点とは
  4. 道の駅を起点に、地域の未来をデザインする
道の駅の役割はどう変化した?各省庁の支援メニューや取り組み事例を紹介

道の駅と聞くと、ドライブの途中に立ち寄って休憩したり、地域の特産品を購入したりする場所をイメージする人も多いのではないでしょうか。
しかし、道の駅はもともと、一般道路を利用する人が安心して休憩できる場所としてスタートしました。
 
1993年の制度創設から30年以上が経過した現在、道の駅の役割は大きく変化しています。
観光や地域産業の振興に加え、防災や子育て、地域交通など、地域の課題に対応する拠点としても期待されています。
 
ここでは、道の駅がどのような経緯で誕生し、どのように役割を広げてきたのか、その変遷を振り返ります。
さらに、現在の道の駅を支える国の支援や、自治体が道の駅の活用を考える際のポイントについても紹介します。




道の駅の機能と変遷

道の駅の制度が始まったのは1993年です。
第1回の登録では全国103 駅からスタートし、その後、全国各地に広がりました。
制度創設の背景には、一般道路を利用する人が自由に立ち寄って休憩できる場所が少なかったことがあります。

現在では、休憩だけでなく情報発信や地域連携も道の駅の基本的な機能となっています。
 
道路:道の駅案内 概要 – 国土交通省



時代とともに変化した「3つのステージ」と機能の拡張

道の駅の基本コンセプトは、「休憩機能」「情報発信機能」「地域連携機能」の3つです。

休憩機能としては、24時間無料で利用できる駐車場やトイレの提供があります。
情報発信機能では、道路情報や地域の観光情報、緊急医療情報などを提供します。
地域連携機能では、文化教養施設や観光レクリエーション施設などを通じて、地域振興につなげます。

道の駅とは-国土交通省近畿地方整備局



なぜ今、道の駅が「まちづくりの核」となるのか

国土交通省は、道の駅の歩みを第1ステージ、第2ステージ、第3ステージに分けています。
 
第1ステージでは、道の駅は「通過する道路利用者のサービス提供の場」として全国に広がりました。
道路を利用する人が安心して休憩できる場所を確保するとともに、地域情報などを提供することで、道路利用者と地域をつなぐ役割も担っています。
制度創設当初に重視されたのは、誰でも安心して立ち寄れる休憩場所を整備することでした。
 
2013年から始まった第2ステージでは、道の駅そのものが「目的地」となることを目指すようになりました。
たとえば、地域の特産物や観光資源などを活用し、地域ならではの創意工夫によって道の駅を観光や地域振興の拠点として発展させる取り組みが進められています。
また、東日本大震災などの自然災害を背景に、防災拠点としての役割も重要になりました。実際に、2004年の新潟県中越地震や2011年の東日本大震災では、避難所や情報発信、救援・復旧活動の拠点として道の駅が活用されています。
 
2020年からは第3ステージとして、「地方創生・観光を加速する拠点」が掲げられました。
国土交通省は、「世界ブランド化」「防災拠点化」「地域センター化」の3つを目指す姿として示しています。
インバウンドへの対応、防災機能の強化、子育て支援や大学との連携など、道の駅を地域全体の活性化につなげる動きが広がっています。
 
このように、道の駅は、休憩、情報発信、地域連携という基本機能をもちながら、観光振興や地域産業、防災、子育て、地域交通など、地域のさまざまな課題に対応する役割を担うようになりました。

こうした役割の広がりから、道の駅は単なる休憩施設ではなく、地域の特色や課題に合わせて活用する拠点として重要性を増しています。
 
「道の駅」第3ステージ概要 – 国土交通省




国交省だけじゃない!省庁の枠を超えた「道の駅活用支援メニュー」

道の駅の役割はどう変化した?各省庁の支援メニューや取り組み事例を紹介

国が提供する道の駅の支援メニューは、施設の目的や整備内容によって関係する省庁が異なります。
国が公表している令和8年度版支援メニューでは、特産品直売所や体験施設、生産加工施設などを対象に、複数の省庁による支援策が整理されています。

道の駅を地域の拠点として活用する際には、こうした支援メニューを確認することが重要です。




横断的支援が必要な理由

道の駅が担う役割の広がりに合わせて、活用できる支援策も多様になっています。

たとえば、観光客の受け入れ環境を整備する場合と、地域の農林水産物を活用して商品開発を行う場合では、関係する支援分野が異なります。さらに、防災拠点の機能強化や脱炭素化に向けた設備導入にも関連する支援メニューがあります。

そのため、道の駅を整備・活用する際は、1つの省庁の制度だけを見るのではなく、実現したい目的から関係する支援策を横断的に確認することが重要です。



課題別に選ぶ主な支援制度と活用イメージ

令和8年度版の支援メニューには、観光・交流、地域産業、防災・脱炭素などに関する制度が、国土交通省をはじめ複数の省庁から掲載されています。

ここでは、目的別に主な支援制度と活用イメージを紹介します。
 
令和8年度版 各省庁の「道の駅」支援メニュー



観光・交流を強化したい場合

道の駅を観光の拠点として活用する場合は、観光客の誘客や受け入れ環境の整備に関する支援メニューがあります。

国土交通省の「各省庁の『道の駅』支援メニュー」には、オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の受入環境整備促進事業や、地域の観光資源充実のための環境整備推進事業などが掲載されています。
外国人観光客への対応や観光資源の充実などを通じて、道の駅を訪れる人を増やし、地域への周遊につなげる取り組みを検討する際に活用できます。
 
令和8年度オーバーツーリズム受入環境整備促進事業特設ウェブサイト | 観光庁



地域産業を強化したい場合

地域の農林水産物を道の駅の特産品販売や商品開発につなげる場合には、農林水産省などの支援メニューが考えられます。

令和8年度版では、農山漁村振興交付金(地域資源活用価値創出対策)や、水産加工連携プラン支援事業などが掲載されています。また、内閣府の地域未来交付金や総務省のローカル10,000プロジェクトなども挙げられています。
地域資源を活用した新たな商品や事業を生み出す際には、こうした支援策を確認するとよいでしょう。
 
令和8年度農山漁村振興交付金(地域資源活用価値創出対策)地域活性化型、農泊推進型、農福連携型事業(全国単位の取組提案者向け事業を除く。)の公募について:農林水産省

持続可能な水産加工流通システム推進事業のうち水産加工連携プラン支援事業(令和8年度当初予算):水産庁



防災・脱炭素など地域課題へ対応する場合

道の駅に求められる役割は、観光や地域産業だけではありません。防災拠点としての機能強化や、脱炭素化に向けた設備導入などにも関連する支援メニューがあります。
令和8年度版では、総務省の緊急防災・減災事業債や、環境省の地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業などが掲載されています。
道の駅の整備を地域課題の解決と結び付け、道の駅で解決したい地域課題を明確にすることで、関連する支援策を検討できます。
 
地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業 | 総合環境政策 | 環境省




成功事例に見る「選ばれる道の駅」の共通点とは

道の駅の役割はどう変化した?各省庁の支援メニューや取り組み事例を紹介

道の駅は、道路利用者の休憩場所として始まりましたが、現在では観光振興や地域産業、防災、地域住民の交流など、さまざまな役割を担う地域の拠点へと発展しています。
こうした役割の変化の背景には、地域の特色や課題に合わせて道の駅を活用してきた自治体の取り組みがあります。

ここでは、観光や地域産業、防災、人材育成などにつながる特徴的な事例を紹介します。



交流・福祉・防災―地域課題の総合拠点へ(長野県青木村)

長野県青木村の「道の駅あおき」は、地域のNPOによる体験学習の受け入れ拠点として活用されてきました。
平成25年には年間2,148人が体験学習で訪れ、そのうち214人はインドネシアなどからのホームステイでした。
 
こうした交流機能に加え、特産品の開発・継承、高齢者宅配サービス、ドクターヘリによる救命緊急患者搬送、大規模災害時の防災拠点など、地域のさまざまな課題に対応する機能を集約する計画が打ち出されています。

観光・交流だけでなく、福祉や防災まで地域の拠点機能を広げている点が特徴です。
 
道の駅 あおき|関東「道の駅」公式ホームページ



観光・防災―地域全体の観光拠点へ(栃木県那須町)

栃木県那須町の「那須高原友愛の森」は、那須地域を国際観光地として発展させるため、外国人観光客のニーズに対応したサービスの提供など、道の駅の機能強化を進める計画が示されました。

平成25年の年間利用者数は約67万人で、当初の目標だった50万人を上回っています。
さらに、那須地域の観光情報を集約・提供し、年間利用者100万人を目指す取り組みや、東日本大震災の教訓を生かした防災拠点化も進められています。

既存の集客力を地域全体の観光振興や防災につなげようとする取り組みが特徴です。
 
道の駅 那須高原友愛の森|関東「道の駅」公式ホームページ



観光・地域経済・定住―来訪者を地域の活力につなげる(兵庫県朝来市)

兵庫県朝来市の「但馬のまほろば」は、竹田城や生野銀山など周辺の観光資源による集客力を活用し、道の駅への来訪者増加を産業創出、雇用促進、定住化につなげる取り組みを進めています。
 
竹田城への観光客は平成21年の約2万人から平成25年には約50万人へ増加したという実績が示されています。
そこで、大学・研究機関などと連携した新たな農産品開発のラボ機能や、空き家・就労情報など定住化情報の発信機能を追加し、道の駅の役割を地域産業や定住促進へ広げています。
観光振興を地域経済や移住につなげる取り組み事例です。
 
道の駅 但馬のまほろば – 朝来市公式ホームページ



体験・雇用・人材育成―地域産業の担い手を育てる(茨城県常陸太田市)

茨城県常陸太田市では、道の駅に年間を通して摘み取り体験ができる多品種のトマトハウスを整備する計画が示されました。
約1,000平方メートルの施設で、県内の農業者等養成専門大学校の新卒者を栽培管理者として雇用し、将来的に市内で独立した農業経営ができるよう、圃場や住居などの確保も支援します。

また、6次産業化や農商工連携に取り組む農業者・団体が加工品づくりの試作や研究を行える専門スペースも設置し、農業体験を観光だけで終わらせず、雇用や担い手育成、商品開発につなげる点が特徴です。
 
道の駅 ひたちおおた|関東「道の駅」公式ホームページ



観光・農業―観光と地域産業を結び付ける(北海道ニセコ町)

北海道ニセコ町の「ニセコビュープラザ」は、国際リゾート地・ニセコの滞在型観光を支える拠点として、観光コンシェルジュや通訳ホットラインなどによって情報発信機能を強化する取り組みが行われています。

さらに、地域を支える観光と農業という2つの産業を結び付け、免税向け地場産品の開発などにも取り組む計画です。
単に外国人観光客向けの案内機能を充実させるだけでなく、インバウンド需要を地域の農業・商品開発につなげている点が特徴です。
 
道の駅「ニセコビュープラザ」 | 観光施設 | 公共施設案内 | 北海道ニセコ町




道の駅を起点に、地域の未来をデザインする

道の駅の役割はどう変化した?各省庁の支援メニューや取り組み事例を紹介

道の駅は、1993年の制度創設から30年以上を経て、休憩する場所から訪れる目的地へ、そして現在は地方創生や観光、防災、地域交通など、地域のさまざまな課題に対応する拠点へと役割を広げてきました。
 
第3ステージで示された「世界ブランド化」「防災拠点化」「地域センター化」は、道の駅を地域全体の活性化につなげる考え方ともいえます。自治体にとっては、道の駅を単なる施設・設備として捉えるのではなく、地域の観光資源や産業、防災、住民サービスなどと結び付け、地域の課題解決や活性化につなげる視点が重要になるでしょう。
 
サイネックスでは、各自治体のまちづくりに活用できる官民協働型の各種プロモーション媒体を取り扱っています。
ぜひご相談ください。

お問い合わせはこちらから

  1. Top
  2. サイネックス・マガジン
  3. 道の駅の役割はどう変化した?各省庁の支援メニューや取り組み事例を紹介